今回は相続手続きで揃えた戸籍謄本に有効期限があるのかについて解説していきます。
折角、戸籍謄本を揃えたのに有効期限が切れてしまったという方は参考にしてください。
必要書類の有効期限は3か月?6か月?
よく印鑑証明書などは発行から3か月と言われることがあります。
相続手続きでも戸籍謄本や印鑑証明書は発行から3か月以内のものを求められることがあります。これは古い書類になるほどその正確性が疑われるからです。
また有効期限を6か月以内としているところもあります。これはその機関によって様々です。特に金融機関はその金融機関によって様々なので、その指示に従いましょう。
あとちょっと注意が必要なのは被相続人の戸籍謄本をいつ取得したかです。被相続人が亡くなり死亡届がされると、戸籍謄本は死亡の記載が載ります。この戸籍謄本が必要となるので、死亡する前の戸籍謄本では駄目です。
有効期限のない書類
一方で特に有効期限を設けていないケースもあります。
それは相続登記手続きです。
いわゆる名義変更ですね。不動産を相続によって取得した際は夫から妻へという具合に不動産の登記手続きが必要となります。
その時にも戸籍謄本が必要となりますが、この戸籍謄本は3か月以内など特に有効期限はありません。また戸籍謄本だけでなく、印鑑証明書や遺産分割協議書にも有効期限はありません。ただし相続人の戸籍謄本は被相続人が亡くなった後に取得したものである必要があります。これは被相続人が亡くなった時に相続人が生存していたことの証明となります。
従って登記について実は急いで手続きをする必要はありません。落ち着いた頃に登記手続きをしても構いません。しかし登記手続きをしておかないと売却ができないなどの問題もあります。また不動産を相続した方が登記をする前に亡くなってしまった場合、その不動産をさらに相続した方が前の登記手続きもしなければなりません。そうなってくると面倒なことが多くなるので、できるだけ早く登記手続きすることをおすすめします。
また相続税の申告の際も必要書類に有効期限はありません。
有効期限が切れてしまった場合
相続手続きは不慣れな書類収集や官公署が平日しか開庁していないこともあり、なかなか思うように進まないこともあります。そのうち、最初に取得した戸籍謄本の有効期限が切れてしまうこともあります。
特に金融機関では戸籍謄本の有効期限を設けているところがほとんどのため注意が必要です。もし金融機関に提出する戸籍謄本の有効期限が切れてしまったら最悪の場合、もう一度取得し直すことになります。しかし、被相続人の戸籍謄本は生まれてから死亡までの謄本が必要になり、大変な作業になる可能性もあります。
そんな時は法定相続情報制度を利用しましょう。
法定相続情報は法務局で戸籍謄本や相続関係一覧図(法定相続情報一覧図)を提出することで認証文を付した写しが交付されます。これを利用すれば戸籍謄本を何度も取得する必要がなくなります。法定相続情報一覧図の申請で必要となる戸籍謄本は有効期限がありませんので安心してください。
金融機関でも法定相続情報一覧図の写しで相続手続きをすることができます。
「法定相続情報証明制度」について(法務局のHPが開きます)
まとめ
ちょっとややこしくなってしまったので、話をまとめますと戸籍謄本はまず被相続人も相続人ともに被相続人が亡くなった後の戸籍謄本が必要になります。
そして金融機関で相続手続きをする際は有効期限に注意してください。
登記手続きと相続税申告の場合は有効期限はありません。
相続手続きが多い場合は法定相続情報制度の利用も検討してみましょう。
コメント