遺産分割協議の成立後に相続人が死亡した場合の相続登記について

相続の手続きについて

遺産分割協議が成立してもすぐに相続登記などの手続きをしていないという人は多いです。
では相続登記をせずに相続人の一人が死亡してしまった場合、遺産分割協議はやり直す必要があるのか?
今回は遺産分割協議の成立後に相続人が死亡した場合の相続登記についてご紹介します。

 

遺産分割協議の成立後に相続人が死亡した場合

被相続人がA、相続人がB、C、Dの3人とします。
B、C、Dの3人で遺産分割協議を行い、Bが相続する協議が整い遺産分割協議書も作成したあと、相続登記など手続きをする前に相続人Dが亡くなってしまいました。
Dの相続人にはEとFがいます。
この場合、EとFを含め、遺産分割協議をやり直す必要はあるのでしょうか。

結論から言うと、遺産分割協議をやり直す必要はありません。
一度、遺産分割協議でBが相続する内容で協議が整っているので、改めて協議をやり直す必要も協議書を作成し直す必要もないのです。

相続登記については遺産分割協議書を作成した時と同じDの印鑑証明書があれば大丈夫です。
相続登記の場合、この印鑑証明書については有効期限はありません。

 

死亡した相続人の印鑑証明書がない場合

では印鑑証明書がない場合はどうなるのか?
死亡してしまった人の印鑑証明書を取得することはできませんので、もし印鑑証明書がない場合は、Bが相続する遺産分割協議書の作成が真正に行われたことを証明する書面を作成し、遺産分割協議書を添付することで相続手続きすることが可能です。
この証明書には、添付した遺産分割協議書が正しい旨を記載し、亡くなったDの相続人であるEとFの署名と押印が必要となります。
仮にEが配偶者、Fが未成年の子供の場合は、親権者としてFの代わりにEが署名、押印します。
事実証明の書類に署名と押印をするだけなので、利益相反にはならず、特別代理人の選任も必要ありません。

 

遺産分割協議書を作成していなかった場合

では、遺産分割協議は成立したが、遺産分割協議書を作成していなかった場合はどうなるのか?
この場合も、印鑑証明書がない場合と同様で、遺産分割協議によりBが相続することの証明書をEとFの署名及び押印し作成します。

 

遺産分割協議中に相続人が死亡してしまった場合

では、遺産分割協議中に相続人が死亡してしまった場合はどうなるのでしょうか?
この場合は遺産分割協議が成立していないので、死亡した者の相続人は遺産分割協議に参加する権利があります。
上記の例で言うと、EとFがDの相続人となるので、B、C、E、Fの4人で遺産分割協議を行うこととなります。

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